ランナー膝(腸脛靭帯炎)
スポーツ障害、アスリートケアは当院へご相談ください!
このようなお悩みはありませんか?
- 運動すると膝の外側が痛む
- 長い距離を走ると痛みが出る
- 特に下り坂で痛みが増す
- 膝を曲げた状態から伸ばす時に痛む
- 早くスポーツに復帰したい
ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは?
ランナー膝、正式には「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」は、膝の外側に痛みが出るスポーツ障害の一種です。特に長距離ランナーに多く見られるため、一般的には「ランナー膝」と呼ばれています。この障害は、繰り返しの膝の曲げ伸ばしによって腸脛靭帯が大腿骨(太ももの骨)とこすれ合い、炎症を起こすことで発症します。
腸脛靭帯炎とは?その役割と構造
腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)は、太ももの外側を縦に走る、非常に強くて丈夫な繊維状の結合組織です。骨盤の外側にある「大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)」や「大殿筋(だいでんきん)」という筋肉から伸びて、膝の外側を通り、すねの骨(脛骨)にしっかりとつながっています。
この靭帯は、歩いたり走ったりする際に、骨盤のブレを抑え、膝の動きを安定させる働きをしています。下半身全体のスムーズな動きや、姿勢の維持にも深く関わっており、日常の動作や運動において欠かせない重要な組織です。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)が起こる主な原因とは?
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の発症には、いくつかの大きな要因があります。もっとも代表的なのが「オーバーユース(使いすぎ)」です。特に長距離のランニングやジャンプ動作を繰り返すことで、膝への負担が蓄積されていきます。
また、身体のバランスが崩れていたり、足の動きにねじれや不自然なクセがあったりすると、腸脛靭帯に過剰なストレスがかかります。たとえ姿勢のわずかな乱れや足の向きのズレであっても、それが繰り返されることで、腸脛靭帯が膝の外側にある骨の出っ張り(大腿骨外側上顆)と何度も擦れ合い、摩擦が起こります。
この慢性的な摩擦が続くことで、靭帯と骨の接触部分に炎症が生じ、やがて鋭い痛みとして現れます。特にランニング距離が長くなるほど症状は悪化しやすく、場合によっては運動を中断せざるを得ないほどの強い痛みに発展することもあります。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)になりやすいのはどんな人?
腸脛靭帯炎は、特定の体の使い方や身体的特徴を持つ人に発症しやすい傾向があります。以下のようなタイプの方は、特に注意が必要です。
① 長距離を走るアスリートや日常的にランニングを行う人
マラソンや中・長距離の陸上競技に取り組む人は、膝への負担が繰り返しかかるため、腸脛靭帯炎を起こしやすいとされています。練習量が多くなるほどリスクも増加します。
② 膝を酷使するスポーツに取り組む人
自転車競技や登山、スキー、バレーボールなど、膝の曲げ伸ばしを頻繁に行うスポーツは、腸脛靭帯に持続的なストレスを与えやすく、発症のリスクが高くなります。
③ 運動初心者や筋力・柔軟性が不足している人
運動を始めたばかりでまだ筋肉が十分に発達していない人や、柔軟性に欠ける人は、関節や靭帯に負担が集中しやすく、炎症を引き起こしやすい状態です。
④ 太ももや臀部の筋肉が硬い人
特に大腿部やお尻周辺の筋肉が硬くなっていると、腸脛靭帯に余計な張力がかかり、膝の外側との摩擦が強まりやすくなります。これは炎症や痛みの直接的な原因になります。
⑤ O脚や体重が外側にかかりやすい体型の人
脚の骨格(アライメント)が崩れていてO脚気味だったり、歩行・走行時に体重が膝の外側に集中しがちな人も要注意です。靭帯と骨が接触しやすく、腸脛靭帯に炎症を起こすリスクが高くなります。
自分でできる!ランナー膝(腸脛靭帯炎)の簡単チェック法
「もしかしてランナー膝かも…?」と思ったとき、自宅で簡単に確認できるセルフチェック方法があります。そのひとつがグラスピングテストという方法です。痛みの有無を通じて、腸脛靭帯炎の可能性を探るシンプルなテストです。
グラスピングテストのやり方
① 膝を直角に曲げる
椅子に座る、または床に座って、膝を約90度に曲げた状態を作ります。
② 膝の外側を指で押さえる
膝の外側、膝蓋骨(ひざのお皿)のすぐ上あたりで、太ももの骨(大腿骨)の外側の出っ張り部分から2〜3cm上を指で軽く押します。この部分は、腸脛靭帯が骨とこすれやすい場所です。
③ 膝をゆっくりと伸ばす
押さえた指はそのままの位置で、膝をゆっくりと伸ばしていきます。
④ 痛みの有無をチェック
押さえている部分に鋭い痛みや不快感が出る場合は、腸脛靭帯に炎症が起きている可能性があります。つまり、ランナー膝が疑われる状態です。
ハンズ治療院・整骨院での施術内容と流れ
1. 急性期(炎症・腫れがある時期)
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アイシング(冷却)+ハイボルテージ(高電圧電気治療)
炎症や腫れを抑えるため、まず患部を冷やし、ハイボルテージを用いた電気刺激で痛みの軽減を図ります。 -
必要に応じたテーピング固定
負担を軽減するため、テーピングで膝を安定させます 。
2. 機能回復期
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手技療法(マッサージ・ストレッチ)
筋肉の柔軟性を取り戻すため、太ももや臀部など周辺筋に対して丁寧にアプローチします。 -
電気刺激(ハイボルテージ)+場合によっては超音波療法
電気治療を継続して痛み緩和、超音波治療で血行促進・炎症軽減を図ることもあります。 -
テーピング・サポーターによる補助
運動を続けながらも膝への負担を減らすため、固定サポートを利用します。
3. 再発予防・競技復帰準備
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フォームや動作の確認・指導
ランニングなどの動作をチェックし、身体への負荷が偏らないよう改善します 。 -
ストレッチや筋力強化トレーニング
太もも裏、臀部、股関節周りの柔軟性と安定性を高めるセルフトレーニングも指導されます。